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ペットボトルのリサイクルについて考える

ITで地方をどうよくするか?


『RFIDを用いたペットボトルリターナルにおける残留臭気対策ついての考察』

現行の「容器包装リサイクル法」の元では、地方公共団体に収集の義務があるとされ、その分別収集コストは、公共団体の財源を圧迫している。これは大阪市においても同様である。本稿ではIT技術により、ペットボトルを公共財としてとらえ情報システムとして管理することで、リターナルの促進を図れるのではないかという観点で考察を進める。

背景

 20世紀において飲料水容器の主役はガラス瓶であり、繰り返し利用=リターナルを前提として流通システムが構築されていた。しかし20世紀末よりその状況は著しく変化したといえる。
PET(ポリエステルテレフタレート)製飲料水容器は日本において 平成5年の大解禁以来、飲用水容器として従来のガラス瓶と完全に代替し、さらには封栓が可能なことからもアルミ缶容器すら上回る普及を見せている。しかしながら現在の利用方法は完全なワンウエイ容器として位置づけられ、分別回収率は50%を上回るものの、洗浄、破砕された後はその多くが衣料用繊維原料として中国に輸出されているのが現状である。(素材再使用=マテリアルリユースなどと呼ばれている。また「ボトルtoボトル」として直接リサイクルもあるが、再生費用よりも売却益の方が大きいため普及していない)。びん流通業者の努力によりガラス容器のリターナルが存在することを考えれば、何らかの対策が必要であることは見逃せない。
ペットボトルの特性

 PET樹脂容器がココまで普及した原因は、その素材の持つ特徴によるものである。
 その特徴は「硬度がひくいが粘りがあり、破損しない」ということであり、素材を薄くすることでの「軽量化」や、繰り返し使える「スクリュウキャップ」(ガラスでは繰り返すと欠けてしまう)構造などを実現している。
 一方、リターナルが進展しないのもこの特徴によるものであり、①表面がやわらかいので傷がつきやすい。②高温滅菌消毒では素材が変形する。③におい成分が吸着しやすい。の3点に集約される。

① については、容器同士の接触しやすい場所については、包装を施す範囲を広げることで傷を防ぎ、付いた傷を隠すことで対応が可能である。
② については、ボトルの素材を厚くすることで対応できる。素材の使用量を若干増すことで環境負荷が上がるが、強度も増すためリターナル回数が増えることにつながり、総合的な環境負荷は変わらないと思われる。
③ については、PETの素材自体は無味無臭であるが、高分子有機化合物でありガラスのような無機質ではないため、においの成分との親和性が高く、微量な残留が避けられない。

リターナルへの道

結局、ペットボトルのリターナルを阻害しているのは、3番目のにおい問題となる。
再使用については、「におい成分」が霧散する温度まで過熱するしかないため、従来は粉砕しペレット原料として再成型する対応法がとられてきたわけである。
しかし、視点を変えて見れば、同一容器には同一商品をボトリングするという手段をとりえれば、微量のにおいについては配慮する必要はないことがわかる。
つまり選別が有効に行えれば、容器はメーカーに戻り同一商品をボトリングすることが可能となるリターナルが可能となるわけである。
また、無臭が前提のミネラルウォーターであれば他メーカーであっても使い回しは可能と考えられるし、においが強い柑橘系飲料でも同系統であれば可能かもしれない。
同一商品であればある程度以上の商品流通量があることが前提であり、ビールのような寡占市場でしか存在できなくなってしまうし、また寡占大手メーカーであっても商品開発期間が短い昨今の環境では、新商品には対応出来ず馴染まない。
リターナルに向けた選別問題 =使えないバーコード

選別についてはバーコードを利用することが想起されるが、2点からそれは困難である。1つめは、リターナルの過程で本来、商品コードであるバーコードを他メーカーが使う可能性があることであり、同一メーカーであってもモデルチェンジによる内容物の入れ替えが不可能なことである。2つめは、物理的な問題でバーコードは外側のラベル側に印刷されていることである。
 ラベルは廃棄時に剥がされる可能性が高く、また作業工程を考えれば汚れが付着している可能性があるラベルは洗浄前にはがすのが妥当である。であれば容器に直接バーコードを印刷することが考えられるが、マテリアルリサイクルのための自主基準によりバーコードの容器本体への直接印刷は認められていない。(リターナルを十数回くりかえすか途中で再使用に耐えないほど破損した場合はマテリアルリサイクルするほか無く、リターナルボトルでも準拠することが望ましい。)
 また、ペットボトルは、食品衛生法等を遵守し衛生的で、使用後の再処理、再利用適性に優れた容器とするために、使用するボトル、ラベル・印刷、キャップ等について規定した自主設計ガイドラインを定め、製造されている。
http://www.petbottle-rec.gr.jp/more/mo_jisyu.html
 容器本体に洗浄でも落ちないが、再利用には問題にならない範囲での脱色できるインキの開発は困難であるといえよう。
 この2点から、容器に添付するのは、RFIDを用いるのが適当だと考える。RFIDであれば、商品種別ではなく、商品単体に独自コードが付与でき。インクのような微粒子ではないため比重選別法等によりマテリアルリサイクル時に分級が容易だからである。
 PET容器に組み込まれたRFIの履歴情報は、公共情報としてデーターベースに蓄積され活かされるだろう。
RFID取り付け方法 の検討

 リサイクルにあたって容易にRFIDを分離できるようにしておく必要があるということであり、その点から、RFIDの組み込み方法を検討する必要がある。
 その結果を図に示す。パッシブRFIDチップをキャップと同じ材質のポリエチレンでコーティングし、PET樹脂でボトル本体に3箇所溶着する構造である。この構造の利点としては

1.マテリアルリユース時に容易に分離できる。
2.キャップと同様に水浮力選別で分離が可能である
3.煮沸・蒸気滅菌時に直接高温にならない
4.上部に位置するため、内容水による電波の吸収減衰が少ない。Image001

 デメリットとしては、本体から突起しているので、ボトル洗浄時に脱落する可能性が高いことであげられる。
 ただしこれも、容器の破損はあらかじめ考慮されるべきものであり、リターナルに適さないものは、マテリアルリサイクルにまわせば良いので問題とならないだろう。
最後に

 ただし、RFIDで履歴監理をするからとはいえ、洗浄やにおい測定の工程を省略することはするべきではない。消費者の手に容器が渡った時点で監理を行うことは不可能になっており、容器の安全性は保てないからである。(容器を灰皿代わりにし、吸殻等を投入することなど)この点ではガラス容器の優位性は揺るがない。

<参考>

経済産業省 3R政策調査資料
http://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/data/research/h17fy/180201-4_pal.html

中国検験認証集団 日本有限公司のコメント
http://www.ccicjapan.com/news/20060524.html

全国びん商連合会
http://www.zenbin.ne.jp/

PETボトルリサイクル推進協議会
http://www.petbottle-rec.gr.jp/top.html

特定非営利活動法人 ごみゼロネット大阪 『リターナブル容器研究会報告書』
http://home.inet-osaka.or.jp/~gomizero/ret/returnabl.pdf

酒類PETボトルリサイクル連絡会 
http://www.shochu.or.jp/  

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